iDeCo(イデコ)は年金を作るためのものだから、55歳から始めても大した金額は貯まらないと思う。今から始めてもムダだよね?
このように考えている方に、iDeCo(イデコ)は、55歳を過ぎてからでも始めるとお得になる理由をお伝えします。
特に、現在パートなどで給料をもらっていて、なおかつ所得税や住民税を支払っている方は、iDeCoで年利10%以上相当の金額がお得になります。
ぜひ詳細をご覧ください。
実際に、私もiDeCoを始めてから所得税と住民税が安くなったので驚きました。
iDeCo(イデコ)を55歳から始めても遅くない理由
iDeCoを55歳から始めても遅くない理由は次の3つ。
- 掛け金に対して税金がかからない(掛け金の分は収入とみなされない)
- 掛けられる期間が65歳までに延長された
- 退職金を作ることができる
順番に解説していきます。
掛け金に対して税金がかからない
「掛け金は課税対象とならない」
これだけでもiDeCoがお得な理由です。
「税金」と聞くと、私たちは「逃れられない」「仕方ない」と諦めていませんか?
それに「節税」なんて、給料をもらっている身としては無縁なものと思いがち。
ですが、簡単な算数で理解できます。
掛け金に対して所得税と住民税がかからない
例えば、年間で200万円の所得があったとすると、通常はその金額に対して所得税と住民税が課税されます。
(所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額です。)
ですが、仮に月々2万円をiDeCoの掛け金とした場合、年間で掛けた総額の24万円分が所得から控除されます。
所得:200万円 − 24万円=176万円
ですので、この場合、所得は176万円となり、iDeCoの1年間の掛け金総額である24万円には税金がかかりません。
所得税率が5%だとすると
24万円 × 5%=12,000円
なんと、年間で12,000円も節税(お得)になるということです。
また、住民税も掛け金分が控除の対象になります。
上記の例でいうと、住民税の10%分の税金が安くなります。
24万円 × 10%=24,000円
この例で考えると、毎月iDeCoでの掛け金を2万円とした場合、年間の掛け金24万円に対して、所得税で12,000円、住民税で24,000円が節税となりますね。
(12,000円+24,000円 ÷ 24万円=0.15
なんと年利15%に相当することになります。
掛けられる期間が65歳までに延長された
現在、iDeCoの名称で呼ばれている個人型確定拠出年金は、アメリカの年金制度をベースにしたもので、当初は401Kと呼ばれていました。
2016年9月よりiDeCo(イデコ)の名称となり、2017年1月から、専業主婦や公務員も加入できるようになったことで、認知度がアップしましたね。
ただしこの当時は、拠出できる年齢(iDeCoに積み立てを行える年齢)が60歳まででした。
私も2018年頃、一度iDeCoを始めようと検討したことがあります。
でも、60歳までだと、それほど多くの積立ができないのでは?と、一旦あきらめました。
それが、今では65歳まで拠出できます。(65歳まで積み立てられる)
もしかしたらこの先、もう少し拠出できる年齢も延びるかもしれません。
仮に55歳からiDeCoを始めて毎年24,000円の節税をしたとすると、10年で24万円の節税となり、見逃せない金額です。
退職金を作ることができる
仮に、55歳から65歳までiDeCoで毎月2万円の拠出を行った場合、運用利益が平均で年利3%だったとして計算すると、280万円ほどになります。
このiDeCoでの積み立て分は、公的年金に上乗せして月々の年金として受け取ることもできますし、一括で受け取ることもできます。
通常は退職金のないパート主婦にとって、退職時にまとまったお金が手元に入るのは、とても心強いことです。
しかも、一時金として受け取る場合には「退職所得控除」の対象となります。
さらに、一時金として受け取る時期や、一時金と年金とに分けて受け取れる方法などを選べるので、自分に合った受け取り方をじっくり選べるのは魅力的ですね。
iDeCoについての詳しい情報は、iDeCo公式サイトがとてもわかりやすいですよ。
iDeCoを55歳から始めやすい理由
5年〜15年先を見通して積み立てることができる
ここまででも説明してきましたが、iDeCoは個人型確定拠出年金の名の通り、年金を作るためのもの。
ですから、60歳になるまで引き出すことができません。
20代や30代の頃からiDeCoを始めれば、60歳になる頃にはかなりのまとまった金額となり、老後の安心の一つになることは確かです。
「このお金で車を買おう」とか「海外旅行に行こう」などど、何かに使ってしまう心配もないでしょう。
ですが、人生、何があるかわかりません。
老後老後と先のことを心配して、今やりたい楽しみを我慢してばかりじゃつまらない。
もしかしたら病気になってしまうかもしれないし、あるいは、どうしてもお金が必要になることだってあるかもしれません。
個人個人の生き方や生活に使える生き金は、その額面だけでなく「価値」で捉えることができます。
なので、ある程度、人生の先を見通せるまでは、様々な方法で貯金や投資を行って、自由度を高めておくことが大事です。
教育費をそのままiDeCoに充てることができる
実は、私の子育て中は、子供の教育費が優先で、iDeCoへ回すほどのお金の余裕がありませんでした。
特に、二人の息子が大学生〜大学院生と重なった5年間は、かなり大変で、貯金なんて全然できなかったですね。
結局、iDeCoは子供たちが大学を卒業した後に始めたので、それまでの教育費をそのままiDeCoへと割り当てることにしました。
もし、教育費が浮いた分を他の消費や浪費に使ってしまっていたとしたら、またそこから新たにiDeCoを始めるにはハードルが高くなってしまっていたでしょう。
ですので、子供にお金がかからなくなるタイミングが、無理なくiDeCoを始める絶好の機会なのです。
iDeCoを55歳から始めやすい理由
- およそ5年〜15年先を見通して積み立てることができる
- かからなくなった教育費をiDeCoに充てることができる
iDeCoのリスクとリスク回避の方法
リスク①:積み立てた商品の元本割れ
冒頭でも説明したように、iDeCoは掛け金に対する税金面でかなりお得と言えます。
ただし、実際には掛け金で投資信託などの金融商品を購入するので、その価格変動によって掛けた金額を下回ってしまうリスクを頭に入れておかなければなりません。
そのためには、無理のない金額で一喜一憂することのないような商品選びが必要です。
リスク②:掛け金以外に経費が必要
iDeCoは、加入時の2,829円(税込)に加え、毎月、口座管理手数料が171円(税込)かかります。
さらに、金融機関によっては「運営管理手数料」「口座管理料」といった名目で毎月かかる費用があります。
リスク①と②があるならやっぱりiDeCoなんてやらない方がいいような気がする‥‥
確かにそうですね。リスクを知ってしまうとためらってしまう気持ちもわかります。
だからこそ、掛ける金額や金融機関選びが大事なのです。
リスク回避①:増やすことに急がない
iDeCoで金融商品を選ぶ際、利回りの良さだけで判断しないことです。
iDeCoでは、金融機関が用意している定期預金や投資信託などから、組み合わせと配分を自分で決めることができます。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、後から、組み合わせや割合を変更することもできるので、まずは気になった金融商品を選んでみましょう。
大事なのは、長期目線で続けることです。
頻繁に残高や利益をチェックして一喜一憂はしないことです。
私は2022年の11月から始めて、現在約2年経過で、+17%の利益が出ています。
ゆっくり、じっくりが大事ですね。
リスク回避②:掛け金を少なくしすぎない
iDeCoの掛け金は月々5,000円から1,000円単位で決められます。
掛けられる上限は、自営業、専業主婦、会社員など現在の国民年金の加入区分によって違います。
詳しくはこちらで確認してみましょう。>> iDeCoの加入資格と掛金について(iDeCo公式サイト内)
月々5,000円から始められるiDeCoですが、口座管理手数料を考慮すると、なるべく手数料の割合を小さくしたいもの。
なので、月々1万円以上を掛けることがリスク回避の一つとなります。
55歳からのiDeCoのまとめ
以上のように、55歳を過ぎてからでも、iDeCoはとても有効です。
特に、働いていて所得税と住民税を支払っているのであれば、ぜひやるべきです。
そして「積み立て」で資産を作るiDeCoは、無理のない金額で、長期目線で捉えることが不可欠。
「大きく増やそう」などと必死になるものではありません。
コツコツやって、定年の時やあるいはその後の生活に、ほんの少しでも余裕ができればそれでOK。
ただ、拠出している間は、しっかりと節税!
このような気持ちで一人でも多くの方がiDeCoを始められたら幸いです。
私は楽天証券でiDeCoをやっています。
楽天証券なら運営管理手数料が無料です。
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