- 「7つの習慣」の時間管理ってどういうこと?
- 自分の生活にどう取り入れていけばいいのか教えて欲しい。
このように考えている方にお伝えします。
「7つの習慣」は、1989年にアメリカ人のスティーブン・R・コヴィによって書かれた初版が、1996年に再販され世界中で話題となった自己啓発書です。
約40ヶ国語に翻訳され、世界で3,000万部、日本でも200万部を売り上げるベストセラー。
私も2011年にこの本に出会い、感動して興奮したのを今でも覚えていて、今でもたまに本棚から出してきて読み返すことがあります。
時代を超えて多くの人に読まれていることに違いはないのですが、実際に日本での一般的な主婦に当てはめようとすると、多少むずかしい点があるのは事実。
この本が書かれた時代と現代のテクノロジーも違いますし、人々の価値観も大きく変化しました。
ただ、そんな中でも唯一、時間管理については多くの人に共通して学べる内容です。
時代や国、社会的立場の違いにかかわらず、多くの人は”時間”に悩みます。
時間は誰にでも平等に与えられていて、時間をどう使うか?によって、人生が変わるといっても過言ではないからです。
では、さっそく、この7つの習慣の時間管理について説明していきましょう。
7つの習慣から学ぶ【時間管理】とは?
7つの習慣の時間管理の目的を一言でいうと、自分がコントロールできない事象を減らし、自分で選んだことに時間をつかって、自分が思い描く人生を手に入れよう!ということです。
その手順としては、次の3ステップになります。
- 時間の過ごし方を4つに分類する
- 急用や突発的なことに割く時間を減らす
- 緊急性はないが重要なことに時間を使えるようにする
順番に説明します。
手順1:時間の過ごし方を4つに分類する=時間管理のマトリックス
私たちの時間の過ごし方は、基本的に4つの領域に分類され、これをの時間管理のマトリックスと呼びます。
それぞれの領域についてと、その領域が大きくなると生活がどのように変わっていくか、ということを解説します。
第一領域:緊急性が高く重要→大きくなるとストレスが増える
一般的な日常生活に当てはめると、以下のようなことです。
- 体調不良、風邪、病気
- ケガ、事故
- 大切な書類や物の捜索
- 必要なお金の工面
- 災害
災害や事故はそれほど頻繁に起こることではないにしても、ちょっとした体調不良や不注意によるケガ、失くし物を探すのに時間を割かれることはありがちです。
また、支払日を気して、いつも何かしらお金の心配をしているということもあるでしょう。
この第一領域は、命に関わることや生活に影響を与える金銭の問題などを含み、ストレスの負荷がかな大きいのが特徴です。
実際の「7つの習慣」では以下のように書かれています。
それはまるで強く打ち寄せてくる波のようなものだ。大きな問題が出てきては、あなたを叩きのめす。…途中略
「7つの習慣」スティーブン・R・コヴィ
毎日、様々な問題に振り回され生活し、やがて疲れ果ててしまうのだ。
この第一領域の大きい生活を送っている人は、そのストレスを発散させようとして、緊急でも重要でもない「第四領域」に逃げ込むのです。
その結果、マトリックスは以下のようになります。
第四領域でストレスを発散させ、第二領域に目を向ける余裕が持てない
第三領域:緊急性が高いが重要ではない→自分本位の生活を送れない
第二領域の前に、まず第三領域について説明しますね。
第三領域には次のような事柄があげられます。
- スマホのアプリの通知
- メールやメッセージの着信、確認と返信
- 飲み会や食事の誘い
- ママ友とのおしゃべり
- 頼まれごと
- セールスの来訪や電話
メッセージを確認するだけだったのに、10分、15分とスマホを触り続けてしまうことってありますよね。
そのメッセージ自体も、特に重要でないものが多かったり、今すぐに返事をしなければならないものは、実際はほとんどありません。
ただ、こういった第三領域の事柄は、相手となる人がいるので、なかなか断りづらいのです。
予定していたことが達成できないことで「自分はダメだ」と思い込んだり、誰かに頼られていることにしか満足感を得られなくなるなど、自己評価が低くなります。
また、それほど重要ではないのに、重要なことだと思い込んで第一領域の事柄のように対応してしまい、ストレスが溜まります。
よって、第三領域が大きいマトリックスは以下のようになってしまいます。
他人に依存したり自己評価が低くストレスを抱えやすい
ここまでのまとめ
第一領域や第三領域の事柄に多くの時間を使ってしまう人は、ストレスが溜まりやすく、結果的に第四領域でダラダラとしたムダなことに時間を費やすことになる。
第二領域:重要だけど緊急性はない→後回しにされやすいが一番大事
さて、いちばん大事な第二領域です。
具体的には次のような事柄です。
- 読書や語学、資格の勉強
- 子どもの遊び相手になったり、勉強をみる
- 家族の団らんや外出
- 食生活の改善、定期的な運動
- 整理整頓
- 計画的な投資や貯蓄
- 家族や大切な人との交流
効果的に人生を営む人は、第三領域と第四領域を避けようとする。なぜなら、それは緊急であろうがなかろうが、重要ではないからである。そして、この人たちは第二領域に時間を投資することにより、第一領域の問題をなくしていくようにする。
7つの習慣より
人間関係を良好にしておくことや、健康のために運動や食生活を気にかけることは、第一領域で発生する事態を避けることに繋がります。
それによって、突発的なトラブルをが減り、自分本位の暮らしができるようになるのです。
とはいえ、人は目の前のことに翻弄され、緊急性の低いことを後回しにしがち。
意識的に取り掛からないと、いつまで経っても手がつけられません。
なので、7つの習慣の時間管理では、この第二領域に使う時間を増やしていくための自己管理が重要だとされます。
効果的な時間の使い方。理想の生活を実現できる
第四領域:緊急でも重要でもない→できる限り減らす
最後に第四領域について。
息抜きは必要ですが、ダラダラと意味のないことに時間を費やしていては、理想の生活を手に入れることはできません。
上の項目で書きましたが、第二領域を増やすことで、ストレスを減らし、必要以上に第四領域に時間を奪われないようにすることが、7つの習慣での時間管理の最終目的です。
では次に、どのようにすれば第二領域を増やして、理想的な時間管理を行うことができるのか、ということを解説していきましょう。
時間管理のマトリックス:第二領域を増やす方法
どの領域から時間を確保するか
理想的な時間管理のために、第二領域の活動を増やそうとすると、第三、第四の領域から時間をとるしかありません。
なぜなら、第一領域は緊急かつ重要な活動なので、削るわけにはいかないからです。
第四領域からとることは、案外かんたんですよね。
ダラダラとテレビを見たりSNSのタイムラインを眺めたりする時間を、読書、ウォーキングにあてましょう。
では、第三領域からとるのはどうでしょう?
この領域の活動は、相手から働きかけられることが主なので、ついつい応じてしまいがち。
「ノー」と言おう
第二領域の優先課題に「イエス」と言うには、一見重要に見える緊急な活動に「ノー」と言わなければならない
7つの習慣より
小さな頼まれごとに対して「ノー」というのは、思いのほか、勇気が要るものです。
「冷たい人だと思われやしないか?」
「前回は引き受けたから今回も断れない」
このように感じたとしても、自分自身の中で、きちんとした優先事項があると、「ノー」は拒絶の「ノー」ではなく、優先事項に対しての「イエス」になります。
時間管理の本質は優先事項を決めること
「時間がなくて〇〇できてない」
「時間がなくて…」はよく使われる言い訳です。
では、もっと時間があれば、言い訳しないで済むのでしょうか?
多くの場合、時間がなかったのではなく、優先順位の付け方を間違った可能性が高いのかもしれません。
ほとんどの人が、自分自身を律することができないと考えている。しかし、それは違うと私は思う。一番の問題点は、自分自身の優先順位が、深く心と頭に植えつけられていないということである。(一部変更)
7つの習慣より
時間管理の歴史
「7つの習慣」では、時間管理には4つの世代があると書かれています。
- 第1世代:「メモ」や「チェックリスト」を使って、やるべきことを整理する
- 第2世代:「カレンダー」や「予定を書き入れる手帳」に代表される。将来のことや活動をスケジュール化しようとする。
- 第3世代:第2世代に優先順位や目標を細かく加え、より多くの活動を盛り込めるように考えられている。
- 第4世代:物や時間にフォーカスするだけでなく、大切な人間関係や余裕のある生活を前提とした上で、「大切な目的の達成」を重視している。
こうやって見ると、時間管理は世の中の価値観にもよって変化するようで、物への価値観とも似ているところがあります。
20年ほど前は、分厚いスケジュール帳になんでも書き込んで、細かく目標を設定することが流行りしました。
整理整頓も、家の中の小さなスペースを見つけて、そこへ押し込む収納グッズが重宝されました。
今は断捨離を含めて、物を持たないことが重視されたりもします。
時間管理もギュウギュウではなく、自分の理想の大原則があって、そこに合うことだけを選ぶ、というスタイルです。
これからは、今よりもさらに「優先順位」や「厳選」が重要視される時代になります。
時間管理を主婦の生活に取り入れる方法
マトリックスの各領域のバランスは個人差がある
主婦の場合、家事や育児などに、多くの時間を割くことになります。
すると必然的に第二領域が小さくなり、第四領域のダラダラや息抜きが大きくなっても、ある程度は仕方のないこと。
ただし、できるだけ「今やっていることがどの領域のことなのか?」を常に意識する癖をつけることが大事です。
そして、一日のうち、30分、1時間でもいいから第二領域の活動を優先させて、重要ではないことに時間を奪われることを防ぎましょう。
子どもが成長するなど、第一領域の活動時間が減れば、その分を第二領域の活動に。
また、親の介護など、第一領域が増えるのなら、可能な限り第二領域の活動を残しつつ、他の領域の時間を削ります。
このように、マトリクス全体で考えることで、時間に振り回される可能性をおさえることが可能になります。
過去の私は第四領域が大きかった
15年ほど前、この本に出会うまでの私の時間管理マトリックスはこんな感じでした。
子育て中だったこともあり、第一領域の家事に多くの時間をとられていたのは仕方ないとは思いますが、必要以上にママ友との立ち話でストレスを発散していました。
更に、「見栄」や「なんとなくの外出」で憂さ晴らししながら無駄使いをする。
誰かの真似をしてどこかへ出かけたり、同じ物を手に入れたり。
今振り返ると、ムダなことにかなり時間とお金を遣っていました。
自分の第二領域をしっかり持っていなかったので、周りに振り回される生活だったと、今となっては反省するしかありません。
子どもとの時間は確保した
ただひとつだけ、今振り返っても良かったと思えるのは、子どもたちとの時間を大切にできたということです。
ま、私は長い間、専業主婦だったので、それが可能だったのですが。
逆上がりの練習や縄跳び、自転車など、夕飯の支度時間を削ってでも、一緒に楽しみました。
勉強の面倒もできるかぎりみました。
高校受験までは、親でも十分に面倒は見られると思っています。
全体的に見ると片寄りはあったのですが、第二領域の「読書」と「子どもとの時間」はしっかりできたと思っています。
第二領域を増やすことで変われたこと
私は10年前、仕事を始めたことで、結果的に第二領域をぐっと増やすことができました。
仕事を始めると、自由に使える時間が減ります。
第一領域である家事を効率的にこなすように考えたり、趣味の時間を確保しようとして、どうしても優先順位を決めざるを得なくなるのです。
そうすると、意味のないことに時間を使うのが惜しくなるし、趣味や興味を持つ範囲がどんどん広がって、第二領域に使う時間が増えていきます。
自分で稼いだお金を計画的に貯金したり、投資にも興味を持つようになりました。
人生の幅が広がり、「自分でやることを選んでいる感覚」というのが心地よく感じます。
第二領域を増やすとお金も貯まる
実は、第二領域を増やして他の領域を減らすと、お金も貯まるようになります。
例えば第二領域の活動を怠っていると、以下のような事態が起こる可能性が高まります。
- 「あ、現金がない」→ コンビニで手数料を払って現金を引き出す
- 健康診断を怠って、悪化させて病院へ行く → お金も時間もより多くかかる
- 整理整頓して持ち物を把握していない → 同じ物を買ってしまう
第二領域の活動を増やすことは、人生を思ったように生きるだけでなく、お金にも好かれることにつながります。
「7つの習慣」は、1996年版以外にも、数種類の改訂版や要約本、コミック版が発売されています。
ただ、内容をがっつりと学びたいのであれば大道の単行本が一番だと思います。
簡単に、特に時間管理のところだけサクッと理解したい、というのであれば漫画版もいいかと。
特に最近は、多くの人が”スマホ”に時間を奪われがちです。
でも、自分がやりたいことを少し意識するだけでで、ダラダラと時間を奪われ続けることは防げます。
ぜひ、7つの習慣の時間管理を取り入れて、時間に振り回されない理想の人生を歩みはじめてはいかがでしょう?
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